サービス開始から2年半で10,000社が採用
クラウド人事労務ソフト「SmartHR」の成長を加速させるZuoraプラットフォーム
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業界:
顧客
株式会社SmartHRは、企業が行う社会保険・雇用保険の手続きを自動化するクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供。総務省が提供するe-Gov APIと連携してWeb上から役所への申請を可能にし、煩雑で時間のかかる労務手続き・労務管理業務の効率化に貢献している。
挑戦
SmartHRのサービス開始からわずか2年半でユーザー企業が10,000社を突破。毎月1,000社以上のペースで顧客を獲得する過程で、見積・請求管理などのバックオフィス業務が急増した。この課題を解決するとともに、柔軟なプライシングやアップセルを可能にして成長を加速させる。
解決策
Zuoraのプラットフォームにより、見積、契約管理、請求、売上計上、レポーティングまでの業務プロセスを自動化してバックオフィス業務を大幅に効率化。サブスクリプションビジネスにおける、クレジットカード決済と請求書ベースの請求・入金を統合的に管理可能にしたのか。
メリット
3人で3~4日間を要していた複雑な請求業務を「1人で1日以下」に効率化。Zuora プラットフォームの機能を利用して価格体系を従量課金に移行するとともに、柔軟なアップセルやキャンペーン施策も可能に。ビジネスの成長をさらに加速させるインフラが整備された。
「柔軟なプライシングを提供していきたい、という私たちの要求にZuoraプラットフォームが応えてくれました。世界で戦えるユニコーン(企業価値10億ドル超の未公開企業)を目指して、成長戦略を加速させていきます」
株式会社SmartHR COO(最高執行責任者)
倉橋隆文 氏
SmartHRによる自動化で労務管理業務の負荷を1/3に
株式会社SmartHRは、クラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供する急成長企業だ。従業員の入退社の書類作成、社会保険・労働保険の各種手続きなど、SmartHRが実現する自動化と効率化は、規模や業種を問わず様々な企業から支持されている。同社 COOの倉橋隆文氏は次のように話す。
「社会保険・労働保険は素晴らしい制度ですが、その手続きの煩雑さが企業の人事労務担当者を悩ませてきました。紙とExcelによる手作業を解消するSmartHRは、『働き方改革』の流れの中で業務負担が高まる人事労務部門に幅広く受け入れられています」
SmartHRは、サービス開始から2年余りで導入企業1万社を突破した。スモールビジネスを起点にユーザーを拡大してきたが、大手企業での採用も加速しているという。
「ある従業員2万人規模の企業様では既存の業務システムと併用いただいています。SmartHRは従来のシステムがカバーできなかった領域の自動化を推進し、従業員の社会保険や年金手続き等にかかる工数を1/3程度に減らすことができます」(倉橋氏)
SmartHRは、従業員の採用から退職に至るプロセスにおいて次のようなメリットをもたらす。
SmartHRは、人材の流動性の高い業種で特に待ち望まれていたサービスだ。取締役副社長 最高開発責任者である内藤研介氏は次のように話す。
「2018年8月にリリースした雇用契約機能は、紙ベースの契約書作成や配布・回収の作業を一掃します。また、SmartHRはAPIを公開しており、勤怠管理、採用管理、給与サービスなどのSaaSとの連携を公式にサポートしています。ユーザー企業のうち、自社の業務システムと連携させている例も少なくありません」
バックオフィス業務を自動化するZuoraプラットフォームを採用
SmartHRは毎月1,000社以上のペースで顧客を獲得している。ビジネスの急成長とともに、見積・請求管理といったバックオフィス業務も急増していった。SmartHRでは、オンライン決済サービスを利用して課金機能を実装していたが、請求業務は人手に頼っていたという。営業サポート担当で、Zuora導入プロジェクトの一員でもある寛那見愛子氏は次のように振り返る。
「3人体制で3~4日をかけて月末の請求処理を行ってきましたが、SmartHRの契約数が急激に増加していく過程で、『Excelと人手による集計は限界』と感じました。サブスクリプションビジネス独特の複雑な請求管理を自動化し、バックオフィス業務を効率化する仕組みが不可欠でした」
「そこで、2017年8月にZuoraの導入検討を本格化させました。狙いはバックオフィス業務の負荷軽減だけではありません。柔軟なプライシングやアップセルを可能にして、ビジネスの成長を加速させることを視野に入れていました」(倉橋氏)
Zuoraは、サブスクリプションビジネスに求められるバックオフィス機能をSaaSとして統合的に提供する。プライシング、見積、契約管理、請求、入金管理、会計連携、レポート・分析までを一貫してサポートするが、中でもプライシングの柔軟性はZuoraの大きな特長だ。
「5名まで980円、15名まで3,980円、30名まで9,800円という従業員数規模に応じたシンプルな価格体系から、より柔軟でニーズと合致した1名単位の完全従量課金制への移行を計画していました。Zuoraの導入によって、50名以下の企業を中心に考えたプライシングから、1,000名超の大企業に向けた価格戦略へ転換できると考えたのです。従業員が1名増えるだけで追加課金が設定されるような仕組みは、Zuoraなしでは実現できませんでした」(内藤氏)
3人体制で3~4日を要していた請求業務を「1人で1日以下」に
Zuoraの利用が始まった2018年3月時点で、SmartHRの顧客数は14,000社に達していた。だが、Zuoraによる自動化の威力はそれを上回った。
「3人体制で3~4日を要していた請求手続きを、『1人で1日以下』で完了できるようになりました。クレジットカード決済と請求書ベースの請求・入金管理を統合的に行えるようになったことも大きな成果です」(寛那見氏)
Zuoraが管理する契約情報、見積・請求情報、入金情報等は、セールスチームが顧客管理・商談管理に利用しているSalesforceと同期される。情報共有が強化されたことで、アポイントから商談のクロージングまでセールス活動の効率化が進んでいるという。
「もうひとつ、すべてのお客様とのお取引をZuoraの仕組みに乗せる過程で、イレギュラーな契約の見直しをできたことは大きな成果でした。これ以上の事業規模になってからではクレンジングは困難を極めたでしょう。このタイミングでZuoraを導入して本当に良かったと思っています」(寛那見氏)
「MRR(Monthly Recurring Revenue=月間定期収益)を即時に算出できるようになったことは大きいですね。ワンクリックでできるようになりました」と倉橋氏も評価する。
MRRは、既存の契約に基づく月次の収益に、新規契約やアップグレードに伴う収益を加算し、解約やダウングレード分をマイナスしたもの。サブスクリプションビジネスにおける最も重要な経営指標のひとつである。
「雇用契約機能」のリリースに際しては、Zuoraを利用して柔軟な価格体系とアップセル施策が計画的に組み込まれた。こうした戦略がSmartHRの競争力をさらに高めていくことになるだろう。倉橋氏は次のように語って締めくくった。
「柔軟なプライシングを提供していきたい、という私たちの要求にZuoraプラットフォームが応えてくれました。世界で戦えるユニコーン(企業価値10億ドル超の未公開企業)を目指して、成長戦略を加速させていきます」
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