ダイヤモンド社 ダイヤモンド・プレミアムの
サブスクリプションプラットフォームとしてZuoraを採用
自社オンラインメディアのサブスク事業を開始
会社:
業界:
顧客
ダイヤモンド社は、デジタル媒体であるダイヤモンド・オンライン上で展開するコンテンツを、ダイヤモンド・プレミアムとして顧客に直接提供するという新規サービスをサブスクリプションモデルで開始した。
挑戦
自社のデジタルトランスフォーメーションを牽引する中核サービスと位置付け、プロの記者・編集者が手掛ける有料コンテンツをサブスクリプションサービスを通じて読者に配信し、新たな収益化を図る。
解決策
サブスクリプションサービスに必要な機能をすべて網羅したZuoraのプラットフォームを採用。わずか4カ月という短期間でサービスインを実現した。
メリット
顧客のニーズに対して迅速かつ柔軟なサブスクリプションジャーニーを提供することで収益の最大化を実現するためのサービス基盤を確立できた。
「Zuoraをプラットフォームとして採用したことにより、新たな収益の柱となるサブスクリプション事業を立ち上げることができました」
株式会社ダイヤモンド社
ビジネスメディア編集局 局長
麻生祐司氏
新たな収益の柱としてサブスクリプションに注目
「経済雑誌ダイヤモンド」の創刊とともに、1913年(大正2年)に設立されたダイヤモンド社。以来、経済・産業・経営・投資分野を中心に取り扱う出版社として発展し、現在は幅広いジャンルの書籍、「週刊ダイヤモンド」「DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー」「ダイヤモンドZAi」などの雑誌を発行し、「ダイヤモンド・オンライン」「ザイ・オンライン」などのWebメディア事業及びセミナー・教育事業を展開している。
大正・昭和・平成と長年にわたって事業を拡大してきたダイヤモンド社に大きな転機が訪れたのは、2007年のことだった。同社 ビジネスメディア編集局 局長の麻生祐司氏は「幅広い年代へのインターネットの浸透を受けて、メディアビジネスの激変に備える必要性がいよいよ高まっていました。そこで2007年にダイヤモンド・オンラインを立ち上げ、既存の紙メディアを守りつつ、Webメディアをもう1つの収益の柱に育てていく事業戦略に転換しました」と話す。
ダイヤモンド・オンラインはその後、日本を代表する経済・ビジネス分野のWebメディアへと成長を遂げていく。当初はオールフリーのメディアとしてコンテンツを配信していたが、2008年から一部コンテンツに無料会員登録制度を導入。トラフィックに加えて無料会員ベースを広告事業に活用するビジネスモデルが奏功し、ダイヤモンド・オンラインは同社にとっての大きな収益源となっていった。
しかし一方で、課題も浮き彫りになってきたと麻生氏は言う。
「ダイヤモンド・オンラインを立ち上げて10年以上が経過し、広告収入は順調に伸びていきました。ところが、紙の定期刊行物を巡る市場環境が、特にスマートフォンとSNSの本格的な普及を受けて、厳しさを増していたため、収益源の多様化が急務となっていました」
そこでダイヤモンド社が企画したのが、ダイヤモンド・オンライン上で有料コンテンツを配信するサブスクリプションサービスだった。
「ダイヤモンド社は、取材力・編集力に長けたプロのジャーナリストによる鋭い切り口のビジネスコンテンツに定評があります。ところが、そのジャーナリスト集団は主に有料の紙媒体である週刊ダイヤモンドに振り向けられており、無料サイトであるダイヤモンド・オンライン上では大きな活躍の場がありませんでした。そこで、この2つの編集部を統合するとともに、ダイヤモンド・オンライン内にペイウォールを設けて継続課金のデジタル有料サービスをローンチすることで、記者・編集者リソースの全投入を可能にしたわけです」
「最適なサブスクリプションジャーニーによるLTVの向上、収益の最大化」を提唱するZuoraを採用
ダイヤモンド社は、2018年10月にサブスクリプションサービスの立ち上げを目指した取り組みに着手する。サブスクリプションサービスを提供するには、収益化のためのプライシングパッケージ、契約管理、請求、回収、KPIの管理を行うプラットフォームが必要になるため、まずはソリューションを選定することにした。しかし、サブスクリプションサービスのプラットフォームとなるソリューションは複数存在するものの、ダイヤモンド社の要件に見合った機能を備え、コスト面の負担が少ないソリューションはなかなか見つからなかった。
そんな中、麻生氏はダイアモンド社がちょうどその時期に発行した「サブスクリプション――『顧客の成功』が収益を生む新時代のビジネスモデル」という書籍を目にする。同書の著者は、サブスクリプション型ビジネスのためのSaaSプラットフォームを提供するZuoraの創業者兼CEO、ティエン・ツォだった。
「ちょうど11月に開催されるZuora主催のカンファレンス『Subscribed Tokyo 2018』に来日したティエン・ツォ氏に編集長の立場としてインタビューした際(当時、麻生氏はダイヤモンド・オンライン編集長兼務)、Zuoraが提唱する「最適なサブスクリプションジャーニーによるLTVの向上」、つまり顧客のニーズに対し迅速かつ柔軟なサブスクリプションジャーニーを提供することにより収益の最大化を実現するという考え方に共感しました(麻生氏)」
Zuoraは機能、操作性、コストなどの面でもダイヤモンド社が求める要件を満たしていた。そのプラットフォームは顧客の要望をもとに120カ月以上連続でバージョンアップを行なっており、1000社の収益化のノウハウが凝縮され機能拡張し続けている。最も不安に感じていたサポートについても、Zuoraでは日本語による手厚いサポート体制が用意されている。これらが決め手となり、ダイヤモンド社の役員会議を経てZuoraを採用することに決めたという。
「経営層やビジネスの現場には、なぜサブスクリプションサービスを立ち上げるのか、なぜZuoraをプラットフォームとして採用するのかを丁寧に説明し、理解を得ることができました。その後Zuoraと正式に契約し、サブスクリプションサービスの開始に向けた基盤づくりに着手しました」
わずか4カ月という短期間のうちにサブスクリプションサービスが開始
実際にZuoraの導入作業が始まったのは、2019年3月。ここからデータベースやCMS(コンテンツマネージメントシステム)との連携、ダイヤモンド社が目指すサブスクリプションサービスにZuoraの機能を当てはめていく作業を行っていった。これらの導入作業はわずか4カ月という短期間のうちに終え、2019年6月にダイヤモンド・オンラインの「プレミアム会員(有料会員)サービス」がスタートした。
「この度、サブスクリプションを開始するにあたり、創業106年目の自社のブランドの再構築、原点回帰を徹底的に議論しました。その結果、サブスクリプションを導入することにより、顧客と直接繋がることで顧客が真に求める、企業・産業分野の本質的な記事の創出に注力することが可能になりました。今後も顧客のフィードバックを元に継続的に改善を重ねつつ、濃度の高いコンテンツを顧客にお届けして参ります。(麻生氏)」
今回のサブスクリプションサービスにより、ダイヤモンド社では同社が推進するデジタルトランスフォーメーションを加速させ、顧客価値を最大化するためのCRMに取り組む足掛かりとなる新しいサービス基盤を確立できたと考えている。今後はZuoraの機能を活用しながら様々なキャンペーン施策に取り組んで有料会員数の拡大を目指すとともに、有料コンテンツの拡充にも積極的に取り組むという。
「今回のサブスクリプションサービスは、3カ年計画で収益の大きな柱へと育てていこうと考えています。将来的には、別のサブスクリプションサービスを立ち上げてクロスセルを行ったり、より高額なプランを用意してアップセルを行ったりしていく構想も持っています」
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