“RICOH Smart Integration”による
世界規模のビジネストランスフォーメーションを
加速させるZuoraプラットフォーム
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顧客
複合機で高いシェアを持つリコーが、デジタルビジネスの創出による成長戦略を世界規模で推進している。RSI統括室は、これを支えるB2BプラットフォームRICOH Smart Integration の企画・開発・提供の統括を担う部門として2018年2月に新設された。
挑戦
リコー成長戦略の一翼を担うRICOH Smart Integrationのビジネスモデル開発および事業化。世界140万社の顧客企業を対象に、ワークフロー/ コミュニケーションをはじめとする多様なクラウド型サービスを提供し、企業間の業務プロセス変革に貢献する。
解決策
Zuoraプラットフォームにより、導入開始から約2か月で「サービスビジネス基盤」の利用を可能に。大規模かつ多様なビジネス要求に即座に対応するグローバル共通基盤を実現した。
メリット
リコーの中核事業であるデジタル複合機(MFP)ビジネスの高付加価値化「RICOH on RICOH」を本格的に推進。サブスクリプション型ビジネスへの世界規模でのトランスフォーメーションを加速する。
「リコーの複合機ビジネスをRICOH Smart Integrationでさらに強くしていきます。
Zuoraプラットフォームが、サブスクリプション・ビジネスによるお客様価値の追求を可能にしてくれました」
株式会社リコー RSI統括室 室長
堀場 一弘 氏
RICOH Intelligent WorkCoreにサブスクリプション・モデルを採用
2019年1月、リコーがデジタル複合機を擁するオフィスプリンティング事業で新たな戦略を打ち出した。その中核を成すのは「RICOH Intelligent WorkCore」と呼ばれる新サービス。紙情報のデジタルデータ化とクラウドサービス連携を実現し、中小企業の業務プロセスの高効率化・自動化を促進するソリューションだ。同社 RSI統括室 室長の堀場一弘氏は次のように話す。
「最新世代のデジタル複合機は『進化と多様化への対応』を掲げ、最新機能への自動アップデートを実装しました。さらに、ドキュメントワークフローをはじめとする様々なクラウド連携機能をノンプログラミングで自由に組み込めることにご注目ください。デジタル複合機は、世界およそ140万社に提供しているリコーの中核ビジネス。リコーの強い複合機ビジネスをさらに強くするために、RICOH Intelligent Work Coreによる新しいお客様価値の創造にチャレンジしていきます」
RICOH Intelligent WorkCoreで利用できる多様なクラウドアプリケーションは、B2Bクラウドプラットフォーム「RICOH Smart Integration」から提供される。堀場氏は、2010年からRSIの前身となる技術企画、ビジネスモデル開発、サービス事業化に取り組んできた。
「RICOH Smart Integration(RSI)では、複合機とクラウドストレージの連携やAI 機能を組み込んだOCRなど、すでに100種類以上のRSIマイクロサービスを用意しています。一例ですが、OCRとRPAクラウドを組み合わせたサービスでは、請求書発行に要する作業時間を1/10にすることも可能です。幅広い業種や業務に対応し、お客様の現場の業務手順やワークフローの効率化に寄与します」
デジタル複合機のビジネスは、5年保守契約に基づく販売モデルが一般的だ。RSIアプリケーションが、月額課金のサブスクリプション・モデルで提供されることに注目したい。「モノ」のビジネスから「コト」のビジネスへ――リコーの大きな一歩を支えるのはZuoraプラットフォームである。
Zuoraプラットフォームにより約2か月のスピードでグローバル共通基盤を構築
Zuoraプラットフォームは、RICOH Smart Integrationから提供されるあらゆるサービスのサービスメニュー管理、サービス契約管理、課金・請求管理を担う。堀場氏は、「グローバル共通基盤としての要求に応えるスケーラビリティを備え、世界各国の通貨や商習慣、決済方法に柔軟に対応できることが採用の決め手になった」と話す。
「Zuoraを利用することで、日本、北米・南米、欧州、アジア圏140万社のお客様へ、RICOH Smart Integrationによる革新的なサービスを提案しながら、グローバルでの強力なサブスクリプション・ビジネス・マネジメントが可能になりました。既存システムとの連携も容易で、マスターデータをグローバル各極のシステムに置きながら、契約情報・業績情報などを即時に集計しZuoraから参照できることも評価のポイントです」
RSIアプリケーションはマイクロサービス指向で開発されている。複数のサービスコンポーネントを組み合わせることで、顧客企業ごとに最適なサービスをカスタマイズ可能だ。機能追加や変更も容易で、変化する顧客ニーズに柔軟に対応できる一方、「課金方法が複雑になる課題があった」(堀場氏)という。
「Zuoraは、従量課金をはじめ、購入量によって価格を変動させるボリューム課金やティア課金など、お客様のニーズに応じてサブスクリプション・ビジネスで求められるあらゆる課金モデルに対応できます。しかも、将来の機能拡張やクロスセル・アップセルへの対応も容易です。これらは、既存の販売管理システムでは対応が困難な領域でした」
Zuoraによるグローバル共通基盤は、わずか2か月という短期間で導入を完了したという。堀場氏は、「各極の既存システムとの連携には課題が多いが、サブスクリプション・ビジネスのスピード感を、Zuoraによってまさに体感した」と話す。
B2Bプラットフォームとして進化するRICOH Smart Integration
世界中で稼働するリコーの複合機は400万台に達する。市場競争が激しさを極める中、いかに顧客価値の高いサービスを提供し続けるか。業界リーダーであるリコーの戦略に世界の注目が集まっている。
「サブスクリプション・モデルは、お客様固有の課題やニーズにきめ細やかに応え、お客様価値の向上を追求する『RICOH on RICOH』を実現するための最適なアプローチであると考えています。いち早くZuoraの利用を開始した米国では、モノ売りのビジネスから脱却して、お客様へより生産性の高いワークプレイスへの変革を支援するサービスの実現を指向しています」
リコーでは、独自の画像処理技術や光学技術を活かした革新的なサービスをRICOH Smart Integration上で提供していく計画だ。さらに、RICOH Smart Integrationおよびデジタル複合機のAPIを公開するパートナープログラムを開始し、B2Bプラットフォームとして巨大なAPIエコシステムの形成を目指している。
「RICOH Smart Integrationでは、リコー独自のアプリケーション群に加え、パートナーから提供される多様な技術やアプリケーションを統合していきます。お客様には、次々とリリースされる最新のクラウドサービスを、サブスクリプション・モデルで手軽に業務変革へご活用いただけます。リコーでは、Zuoraプラットフォームを活用してお客様ごとに異なる課題やニーズにきめ細やかにお応えしていくとともに、リコーの強い複合機ビジネス、および、デジタルビジネスを世界規模で強化していく考えです」
RICOH Smart Integrationは、リコーが成長戦略に掲げるデジタルビジネスへの挑戦であるとともに、自身のデジタルトランスフォーメーションへのチャレンジでもある。
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